はじめに
「何歳から歯医者に行けばいいのか?」とよく聞かれますが、実際には何歳からでも受診可能です。生後6ヶ月ほどで乳歯が生え始め、これが虫歯に感染するリスクが高まる時期でもあります。そのため、0歳でも予防のために歯科を受診することが推奨されます。一般的には1歳半ごろに市区町村で行われる1歳半健診の際に、初めて歯医者を訪れるお子様が多いです。このタイミングで歯の健康状態を確認し、必要に応じた予防処置を行うことが大切です。
小児歯科とは
小児歯科は、お子様の成長に応じた歯科治療を提供する専門分野です。虫歯の治療方法は基本的に大人と変わりませんが、予防が中心となります。フッ素塗布や歯磨き指導など、年齢や発達段階に合わせたケアが行われます。早期の予防と適切な指導により、将来の口腔内トラブルを未然に防ぐことができます。
小児歯科は何歳まで通える?
小児歯科には特定の年齢制限はありませんが、一般的には永久歯が生え揃う14歳から18歳くらいまでが一つの目安です。当院では、小児歯科から一般歯科への移行もスムーズに行い、継続的な歯科ケアを提供しております。
小児の口内トラブル
0歳〜3歳
生後6ヶ月頃から乳歯が生え始め、3歳頃には20本の乳歯が揃います。この時期の乳歯は歯質が弱く、虫歯が進行しやすいため、早期の予防とケアが重要です。また、転倒などで歯が欠けたり折れたりする事故も多い時期です。
3歳〜6歳
この時期になると、甘いおやつやジュースを摂取する機会が増え、虫歯リスクが急増します。特に定期的な歯科検診が重要です。
6歳〜12歳
6歳頃から永久歯が生え始め、乳歯と永久歯が混在した歯並びになります。生えたばかりの永久歯は歯質が弱いため、乳歯以上に虫歯になりやすいです。特に奥歯は磨きにくく、虫歯予防が大切です。
小児歯科の治療内容
歯磨き指導・クリーニング
お子様だけでなく、保護者の方にも正しい仕上げ磨きを指導します。歯ブラシでは取り切れない汚れや歯石の除去も行います。
フッ素塗布
フッ素は歯質を強化し、虫歯の予防に効果的です。特に生え始めの歯はフッ素の吸収率が高いため、フッ素塗布は定期的に行うことが推奨されます。
シーラント
奥歯の溝に汚れがたまりやすいため、シーラントで溝を樹脂で埋め、虫歯予防を行います。
小児歯科に通うメリット
小児歯科の最大のメリットは、早い段階から歯医者に慣れてもらうことです。歯医者に慣れることで、歯磨きの習慣が身につき、虫歯予防の意識も高まります。また、治療が必要になった際も、抵抗なくスムーズに進めることができます。
まとめ
小児歯科は、予防をメインとした治療が中心です。何歳からでも受診可能ですので、ぜひ一度お子様の健康を守るために来院されてはいかがでしょうか。当院では、お子様が歯科を好きになれるよう、安心できる環境を整えております。
虫歯は自然に治ることはないので、放置しておくと、どんどん悪化していきます。
虫歯にはいくつかの段階があり、始めは痛みもないので気付きにくいのですが、徐々に歯に穴が空いてきて染みたり、違和感が生じてきたりします。この段階で来院されるかたがほとんどですが、ここから放置してしまうと更に虫歯が進行してしまい、歯の中の神経まで進行してしまうと、激痛を伴う恐れがあります。ここから更に放置してしまうと歯はボロボロになって根っこだけになってしまいます。
虫歯はどのようなもの?
虫歯は、口の中にいるミュータンス菌と呼ばれる菌が、私達が食べたり飲んだりして得た糖分を餌に作りだした酸が歯を溶かしていく病気です。
虫歯の初期症状は?
虫歯の初期症状は、痛みなど感じることがないのでわかりにくいのですが、歯の表面に白い斑点が見られます。この状態を初期虫歯などとも呼ばれます。この段階では適切なケアや予防処置をすることで進行を止めることができ、治療の為に歯を削らないですむことがほとんどです。
虫歯の原因
虫歯の原因は先ほど述べた菌によるものですが、他にもいくつか原因があります。
一つ目は歯の質です。歯の表面はエナメル質と呼ばれる層があります。エナメル質が強いほど、歯が溶けにくく、虫歯になりにくいです。
二つ目は唾液の分泌量です。唾液は口の中を中性に保つ作用があります。虫歯になる酸性の状態になりにくくするので、唾液の分泌量が少ないと虫歯になりやすいです。
三つ目は食事です。糖分を餌に虫歯は出来てしまうので、食後はブラッシングをし、糖分を残さないようにしましょう。また、間食や長時間口の中に食べ物が入っている状態も注意です。糖分が口の中に残っている時間が長いと虫歯になりやすいです。
放置された虫歯、どう進行するの?
虫歯の段階によるお口の変化
初期では特に何も感じません。少し進行すると歯に穴が空いてしまったり染みたりしてきます。更に進行してしまうと何もしないでも痛みを伴い歯もだいぶぼろぼろになってしまいます。最終的には歯の頭の部分がなくなり根っこだけ残ってしまいます。
虫歯の進行
Co 歯の表面に白い白斑や奥歯の歯の溝に着色が見られる状態。痛みなど症状はない。
C1 歯の表面、エナメル質に小さい穴が空いてる状態。痛みなどはほとんどない。
C2 エナメル質の次の層、象牙質まで虫歯が進行した状態。冷たいものや甘いものが染みてくる。
C3 更に虫歯が進行し歯の神経まで虫歯が進行した状態。何もしないで痛みが出たり、強い痛みを感じる。
C4 歯全体に虫歯が進行し、歯冠が崩壊し、歯の根の先に膿が溜まってしまったり歯の周囲組織にも影響を及ぼしている状態。歯を残すことが困難になり抜歯をしなければいけないこともあります。
虫歯が引き起こす合併症は?
虫歯を放置していると歯だけではなく、全身に影響を及ぼす可能性があります。
誤嚥性肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、脳血管障害、痴呆など直接の原因にはならなくてもリスクをあげる可能性があります。
虫歯の放置による社会的な弊害
虫歯を放置してしまうと、見た目の問題もありますが口臭の原因になったり、痛みで仕事や日常生活に支障をきたしたりと社会的な影響が出てくる可能性があります。
虫歯の予防策
虫歯の予防策は、適切なブラッシングやフロスなどのケア、食事の工夫などが有効です。また虫歯は自然に治ることはなく進行してしまう病気なので早期発見早期治療が必要です。よって定期検診でチェックしていきましょう。
まとめ
虫歯は放置していると歯だけではなく、全身にも影響を及ぼします。また社会生活にも影響を及ぼすので早期発見早期治療と予防が大切です。
詳細な金額をお伝えすることはなかなか難しいのですが、例として一つ挙げさせてもらいます。
保険治療の範囲内で歯周病の治療を行なっていく場合、まず初診料、検査料などがおよそ3割負担の方で3000円ほどかかります。その後、スケーリング俗に言うお掃除、クリーニングと言われる処置がおよそ1000円、その後歯周病が改善しているか再検査で状況にもよりますが1000円ほどかかります。再検査して改善しない場合はルートプレーニングと呼ばれる歯と歯茎の隙間の奥をきれいにしていく処置を行いますが部位や本数によって変わってきます。だいたいトータルで5000円から10000円ほどかかります。その後また再検査で1000円くらいかかります。基本的にはここまでが歯周病の治療の料金の目安となります。
ここまで治療を行い改善が図れない場合は外科手術になる場合がありますが状態によっては他院へ紹介となる場合がありますので料金の詳細は控えさせていただきます。
その後定期健診、メンテナンスで維持していく場合は何ヶ月かに一度の来院で3000円程かかります。
歯周病とは?
歯周病とは分かりやすく言うと歯をささえている骨が徐々になくなっていってしまう病気です。最終的には歯がぐらぐらしてしまい歯が抜けてしまいます。初期段階では痛みなどあまりなく気付かず進行していることがあります。
原因は様々ありますが一般的には口腔内の細菌によって引き起こされます。毎日食事をし歯磨きをするとは思いますが、磨き残しがあるとそこに食べかすが溜まってしまいます。時間が経過すると固くなってしまい歯ブラシでは取れない歯石となってしまいます。この歯石は食べかすがくっつきやすくどんどん大きくなってしまいます。それに伴って歯周病の菌も歯石に付着してしまいます。
この歯石ですが歯の根本、歯茎との境に溜まりやすく、歯茎と接していると歯茎が炎症を起こしてしまいます。歯肉炎と呼ばれる状態です。歯茎の炎症がさらに進んでしまうと歯をささえている骨にまで炎症が進んでしまい、それに伴って歯周病の菌が骨にまで入ってきてしまいます。こうなってしまうことで歯周病が始まってしまいます。
歯周病かどうかを判断するには?
レントゲン撮影や歯周ポケット検査、動揺度、歯茎からの出血の有無などによって歯周病もしくは歯肉炎か判断します。
歯周病治療における費用の相場と治療期間
費用は前述参考。歯周病における明確な期間はありません。一連の治療後はメンテナンスが重要であると考えているのである意味一生です。一連の治療後メンテナンスに入るまでを基準に考えますと一ヵ月から長くても半年くらいにはなると思われます。
一般的な歯周病の治療方法
まずは検査をします。その後スケーリングと呼ばれる歯のお掃除をします。厳密に言うと歯と歯茎の境目、歯周ポケットの中までは触らず目視で確認出来る歯石や汚れを除去していきます。きれいになった状態で患者さんには歯磨きをきちんとしてもらいます。場合によっては歯磨き指導をさせていただきどこに磨き残しがあるかなど指摘し磨き方を指導いたします。ある程度経過観察する期間を設定し、再度検査をします。ここで状態が改善しているようなら一旦終了とし、今後はメンテナンスをしていきます。
逆に改善していない、部分的には改善したがまだ大部分は改善していない場合はルートプレーニングを行います。歯と歯茎の境目、歯周ポケットの中に入りこんだ歯石、汚れをきれいにしていきます。スケーリングと同様にルートプレーニング終了後もある程度経過観察して改善したか再検査を行います。ここで改善しているようならメンテナンスに移行します。改善がないようなら再度ルートプレーニングを行なっていきます。
それでも改善がないようなら外科手術になります。
歯周病にならないための予防法
まずはブラッシング、歯磨きです。これは予防でもあり治療でもあります。いくらスケーリングなど治療を行なっても患者さんが適切にブラッシングを行わないと意味がありません。あとはフロスや歯間ブラシなどの補助道具を使用することです。
まとめ
歯周病は気付かず進行している場合があります。検査することで初期の段階で発見することが何よりも重要です。また予防するためには日々のブラッシングが必要不可欠です。
はじめに
虫歯はいきなり歯が黒くなり穴が空いてしまうものではありません。虫歯になる原因である菌が徐々に歯を溶かしていき最終的には穴が空いてしまうものです。
穴が空いてしまう前の段階は初期虫歯と呼ばれ歯の表面が茶色くなったりまたは白く濁ったような色になったりします。
痛みはなく穴も空いていないのでご自身で確認することはなかなか難しいと思われます。前歯など見えるところは確認出来るかもしれませんが検診などで発見されることがほとんどではないでしょうか。このような状態をCoと呼び初期虫歯と判断されます。
治療方法
初期虫歯での治療方法は削ったりすることはなくほとんどの場合が経過観察となります。
経過観察と言ってもただ様子を見ているだけではありません。
まずは初期虫歯の部分をちゃんとブラッシングし磨き残しがないようにすることが重要です。
またフッ素入りの歯磨き粉を使用することも重要です。
歯磨き粉だけではなくフッ素入りの洗口剤を使うこともおすすめします。
また、歯科医院で高濃度のフッ素を塗布することもあります。
これらのことを行うことで初期虫歯の治癒及び進行を止めることが可能になります。
初期虫歯が進行してしまうと実際歯に穴が空いてきてしまい削ったりする治療が必要となってきてしまいます。
根管治療とは
根管治療とは歯の神経を除去することです。
根管治療を受ける理由
虫歯が進行してしまい神経まで達してしまうと痛みを生じます。
神経は細菌感染してしまうともとに戻ることは難しいので根管治療をし感染した神経を除去します。
虫歯以外でも重度の知覚過敏、歯にヒビが入ってしまい神経まで達しているもの、被せ物など歯を大きく削る場合なども根管治療が必要な場合があります。
根管治療のメリット
根管治療を行うと神経を除去するので染みるなどの痛みがなくなります。痛みがなくなることで被せ物など歯を大きく削る治療がスムーズに行うことができます。
根幹治療のデメリット
根管治療を行うと神経がなくなるので再度虫歯になってしまった場合、染みるなどの状態がなくなり、虫歯が進行していることに気付かないことがあります。
場合によっては歯を抜かないといけないところまで進行してしまっている場合があります。
また、歯を大きく削る必要があるので歯の耐久力が下がり折れたり、欠けたりすることがあります。
根管治療は痛い?
根管治療前で起こる痛み
歯の神経がなんらかの刺激を受けると痛みを生じます。代表的なものでは冷たい刺激で染みることです。
虫歯が進行し歯に空洞が出来ると神経に近いところまで刺激されるので染みてしまいます。さらに進行してしまうと温かいものが染みてくる場合があります。
この状態はかなり虫歯が進行しているケースが多く神経が細菌感染を起こしている場合がほとんどです。
根管治療中で起こる痛み
根管治療中は麻酔をしますので痛みはほとんどありません。
ただ神経の炎症が強い場合や体質、体調によっては麻酔が効きにくい場合があります。その時は無理をせずに痛み止めなどを服用し、炎症を抑えてから後日治療を行います。
根管治療後で起こる痛み
治療後は染みるといった症状はほとんど治まりますが咬んだり、歯に物理的な刺激が加わると痛みが出ることがあります。神経を除去することで歯根の先端に炎症が起こるからです。
根管治療後に噛むと痛いのはなぜ?
根管治療は神経を除去することですが、言い換えると神経を歯根の先端でカットすることと言えます。この部分に咬んだりすると圧力がかかるので痛みが生じます。
また歯の神経は複雑に存在しているので取り残しなども痛みの原因になります。
いつまで痛みは続く?
明確にいつまでとは言えませんがきちんと神経を除去し安静にすれば1週間程度で症状は治まります。
根管治療後に痛む場合の対処法
まずは痛み止めを服用し、なるべくその歯に刺激を与えないようにしてください。
それでも治らない場合は?
それでも治らない場合で考えられることとして
- 神経の取り残しがある
- 噛み合わせが強く先端の炎症がとれない
- 歯に亀裂、ヒビが入っている
根管治療の治療法
STEP1:痛みが生じている歯に麻酔をします。
STEP2:虫歯が原因の場合はまず虫歯を除去します。
STEP3:歯の神経を除去し、根管内を洗浄、消毒します。
STEP4:神経があった根管内に薬を塗布し経過観察します。
STEP5:痛みが続くようなら再度除去、洗浄、消毒を行い再び薬を塗布し経過観察します。
STEP6:痛みがなくなったら最終的な薬を根管内にいれます。
STEP7:その後は被せ物や詰め物で歯の形態を回復し終了となります。
1.根尖性歯周炎とは
根尖性歯周炎とは細菌感染などが原因で歯根の先端に炎症が生じる病気です。
歯根の先端に炎症が起こると歯を支えてる骨にまで炎症が広がってしまい、
歯を支えてる骨がなくなってしまうことがあります。
レントゲン撮影では歯根の周囲が黒くうつることが多く、特に神経の治療をした
歯に多く見られます。
2.根尖性歯周炎の原因
一つ目は虫歯によるものです。虫歯が大きくなり神経まで達してしまうと歯の根管
を通じて歯根の先端まで細菌感染が広がってしまいます。通常痛みを生じるので抜髄
と言われる神経をとる治療を行いますが放置してしまうと神経が腐敗し感染物質となり
先端から炎症が始まってしまいます。
二つ目は細菌の再感染です。一つ目に挙げた神経をとる治療を行う際に感染物質の取り残し
や、治療後再び虫歯になって根管内に細菌感染が進んでしまうと炎症が始まってしまいます。
他にも歯をぶつけてしまうことや、歯周病が原因になることもありますが、基本的には細菌感染
によるものです。
3、根尖性歯周炎の症状
- 噛むと痛い
- 歯茎が腫れる
- 歯茎から膿がでる
- レントゲンで歯の先端が黒くうつる
4.根尖性歯周炎の治療法
かなり痛みがある場合や腫れている場合はまず抗生剤や鎮痛薬を服用し、症状が改善してから
治療を始めます。
感染根管治療と呼ばれる治療をしていきます。簡単に説明すると歯の上部及び根管内の感染物質の除去を行います。
まず虫歯になっているようなら虫歯になっている部分を除去していきます。
その後根管内の消毒を行います。
消毒が完了したら根管内に最終的なお薬を詰めていきます。
その後被せ物などで歯の形態を回復していきます。
1. 歯髄温存療法の成功率について
日本の根管治療の成功率は平均40%未満です。専門医の初回の根管治療の成功率は、およそ90%と言われています。専門医でも、だいたい10本に1本は再発するのです。そして、再発した歯に対しての「再根管治療」の成功率は60%程度とガクッと落ちます。治らない場合は歯の部分切除や、抜歯となってしまいます。
2. 歯髄温存療法とは?
虫歯が神経に到達するくらい大きく広がっている場合、通常では抜髄という歯の神経(歯髄)を全て取り、根の中を綺麗に掃除しないといけません。この処置を歯科では「抜髄」と呼びます。抜髄をした歯は治療で削る分、歯質が少なくなり神経のある歯より割れやすくなります。更に、生活反応を失うことで虫歯の再発リスクも高くなります。
簡単にいうと、神経を失った歯は歯の寿命が短くなってしまうということです。ですから、私たち歯科医師は出来る限り神経を残したいと考えます。
3. 歯髄温存療法のメリットとデメリット
メリット
- 根管治療(歯の根の治療)を回避できる
通常虫歯が神経まで達していた場合、神経を除去する治療が必要になってしまいます。
歯の根の中は大変複雑な形態となっており、なおかつライトの光が届きにくく直接目でみて治療することが困難な場所になります。
そのような理由から根管治療は歯科治療のなかでも技術的に困難な治療に分類されます。歯の予後を考えた場合、避けられるのであれば避けたい治療となります。
歯髄温存療法を行うことで治療が困難な根管治療を回避できる可能性があります。 - 虫歯に侵されていない健全な組織を温存できる
根管治療を行うためには、歯の根の方向に器具を到達させるために虫歯に侵されていない健全な歯の部分を仕方なく削ることがあります。
健全な歯の部分をどれだけ多く保存できるかどうかはその歯の強度に影響してしまいます。
歯髄温存療法を行うことで根管治療を回避でき、必要最小限の歯の削除にとどめることが可能となり、治療後の歯の強度に寄与できる可能性があります。 - 歯の寿命をできるだけ延ばすことができる
神経を取る治療は、神経の他にも歯に栄養を送っている血管も同時にとってしまいます。
そのため歯に栄養が行き届かなくなります。
届かないということは経年的に歯が脆くなるということです。
通常根管治療を施した歯は、残っている健全な歯の量によっては根の中に芯棒をたてて、その上に被せ物を作成します。
この芯棒が弱ってしまった根に破壊的な力を加えてしまい、歯の根を破壊してしまうことがあります。最悪、抜歯を余儀なくされることもあります。歯髄温存療法を行うことで治療後の歯の健康に寄与し、歯の寿命をできるだけ延ばすことができます。
デメリット
- 全ての症例に対して歯髄温存療法が適応になるわけではありません。適応から漏れてしまった場合は通常の根管治療の適応となります。
- 神経(歯髄)を保存できない場合があります。
- 治療直後は歯がしみる場合があります。
4. 失敗するとどうなる?
治療の直後は、むし歯除去時の刺激や覆髄処置の刺激により、一時的に歯が過敏になり、冷たいものなどでしみたり痛む場合があります。 歯髄の回復に伴い、通常これらの症状は軽減・消失していきます。
5. まとめ
歯髄温存療法についての成功率、失敗した際のことについてメリット・デメリットを踏まえて解説しました。
まとめると、専門医の初回の根管治療の成功率は、およそ90%とかなり高い確率で成功することがわかっています。しかし、一歩で失敗するリスクも存在するということがおわかりいただけたかと思います。
通常虫歯が神経まで達していた場合、神経を除去する治療が必要となりますが……