歯並びが親に似るって本当?
診療室で親子の患者さんを拝見していると、「お母さんに似てますね」とお声がけすることが多々あります。実際、歯並びが親に似ることは、歯科医院で日々実感することの一つです。でも、親から子に受け継がれるのは、実は歯並びだけではありません。
日々の診療を通じて気づくのは、歯の形や大きさ、あごの形、さらには唾液の特徴まで、実に様々な特徴が親子で似ていることです。
あごの形や歯並びの不思議
診療室でよく目にするのが、お子さんの永久歯が生えてくる時期。この時期に、お母さんやお父さんに似た特徴が現れてくることが多いんです。例えば、小さめのあごを持つご家族では、お子さんも同じような特徴が見られます。
ただし、大切なのは生活習慣です。小さい頃からの食べ方、寝る時の姿勢、指しゃぶりなどの習慣も、歯並びに大きく影響します。私たちが診療で特に注目しているのは、乳児期の哺乳びんの使い方や、幼児期の食事の固さなど、成長期の様々な要因です。
診療室で気づく親子の類似点
お子さんの歯の形や大きさ
永久歯が生えそろう時期に、親御さんとそっくりな歯の形を見ることがあります。特に気になるのは、犬歯の尖り具合や、奥歯の形です。時には、「うちの家系は、この歯が生えてこない」というお話を伺うこともあります。
あごの形と噛み合わせ
受け付けでご家族を拝見していると、横顔のラインが親子で似ているケースが珍しくありません。特に「受け口」や「出っ歯」と呼ばれる特徴は、ご家族で共通していることが多いようです。
これらの特徴は、食事をする時の噛み方や、話し方にも影響することがあります。例えば、あごの形が原因で、上手く噛めない場合もあるんです。
お口の中の環境
歯科検診で特に注目しているのが、お口の中の潤い具合です。唾液の出方や質は、虫歯のできやすさに関係します。ご家族で同じような傾向が見られることも。
ただし、これは日々のケアで改善できる部分も大きいんです。水分補給を心がけたり、よく噛んで食事をしたりすることで、お口の中の環境は良くなっていきます。
最近の歯科治療でできること
昔に比べると、歯科治療の選択肢は格段に増えています。
また、あごの形が気になる場合も、成長期に合わせた適切な治療で改善できることが多いです。大切なのは、お子さんの成長に合わせて、適切なタイミングで治療を始めることです。
おわりに
長年の診療経験から言えるのは、お口の中の特徴は確かに親から子へと受け継がれますが、それは決して変えられないものではないということ。特にお子さんの場合は、成長とともに少しずつ変化していくものです。
気になることがありましたら、お気軽に診療室にご相談ください。お子さんの成長に合わせた治療のタイミングや方法をご提案させていただきます。